ウクライナでの爆撃を地震センサーが追跡している

通常は地震の検出に使用される地震計が、進行中のロシアのウクライナ侵攻中に爆発の時間と場所を特定するために使用されている

ジェレミー・スー著

2023 年 8 月 30 日

ウクライナのチェルニーヒウ市で砲撃により損傷した校舎

ディミタール・ディルコフ/AFP、ゲッティイメージズ経由

ウクライナにある既存の地震計は通常、核兵器実験の監視や地震の検知に使われているが、キエフ近郊の州で起きた1200件以上の爆発の時間と場所を検知するために転用された。地震計によって記録された爆発力は、各爆発の背後にある弾薬や武器に関する手がかりも提供します。

ノルウェーの地震研究財団 NORSAR のベン・ダンド氏は、「私たちは自動的にデータを処理しており、爆発が起こるのをほぼその瞬間に観察しています」と語る。「これまで、リアルタイムで活発な紛争が行われたことはありませんでした。」

ダンド氏らは、2022年2月にウクライナの原子力発電所近くで起きた異常な爆発を探すことから始めた。戦闘が激化し、ロシアの空爆がウクライナの都市を標的にしたことで、すぐにさまざまな爆発が起きていることに気づいた。

既存のソフトウェアと技術を使用して、爆発から 10 ～ 15 分以内に自動的に警報を発することができる検出アルゴリズムを迅速にセットアップしました。このようなアルゴリズムは、さまざまな地震波が近くの地震センサーに到達するタイミングに基づいて、各爆発の位置とタイミングを計算できます。

この技術は、もともと核爆発を監視する国際ネットワークの一部として設立されたキエフ北西のマリン地震観測所から約200キロメートル（124マイル）以内で特にうまく機能した。この観測所には、通常は人間には聞こえない音波を検出できる超低周波音センサーとともに、それぞれ最大 2 キロメートル (1.2 マイル) 離れた 24 個の地震センサーが設置されています。しかし、センサーが少ないウクライナ東部では検出がさらに困難になっている。

研究者らは以前、地震データを利用して、2023年6月6日に当時ロシア軍が管理していたウクライナのカホフカダムの崩壊に関連して起きた爆発を特定した。

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カリフォルニア州ローレンス・リバモア国立研究所のマイケル・パシャノス氏は、地震監視には爆発の数、タイミング、相対的な大きさを追跡できる可能性があると語る。しかし同氏は、爆発物の発生量の推定値は、各爆発の背後にある特定の兵器を明確に特定できるほどまだ正確ではない可能性があると警告した。

パシャノス氏は、地震観測装置が比較的少ない中東、アフリカ、南米では、紛争の地震監視もより困難になるだろうと述べている。しかし、ダンドー氏は、ポータブル地震センサーがそのギャップを埋める可能性があると示唆した。「ポータブル地震センサーの高密度ネットワークを迅速に展開し、同様の分析を行うことができます」と彼は言います。

雑誌の参考文献

自然DOI: 10.1038/s41586-023-06416-7

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